八王子盲学校では、隔年で運動会と文化祭を行っています。平成28年10月、これ以上ない運動会日和のもと、二年に一度の全校行事運動会を実施しました。幼稚部から高等部理療科までが一致団結し、紅組と白組が優勝を目指して競い合い、最後の最後までどちらが勝つか分からない熱い戦いを繰り広げました。
時には宿敵として、時には仲間として競技や演技に取り組む幼児・児童・生徒の姿は感動そのものでした。そんな素晴らしい八盲の運動会の様子を御紹介します。
幼稚部
幼稚部演技 〜はいっポーズ&ダンスメドレー〜
ヒラヒラカラフルな腰のみを身に付け、キラキラスティックを持ち、音楽に合わせてダンスを踊りました。カッパやイソギンチャク、アイドルと大変身しました。
小学部
小学部演技 〜踊れ!元気にぼよよよーん!!〜
フラフープを使って、曲に合わせて色々な動きを披露しました。ウェーブやゆずの「ヒカレ」の曲に合わせて片足上げポーズやフラフープ回しなど難易度が高い技に挑戦しました。
小学部競技 〜進め!力を合わせて!!〜
おしり歩きリレー、二人三脚、アヒルでムカデ歩き、ボール送りと4つのリレーを組み合わせました。本番では練習で1度も勝ったことがない紅組が見事勝利しました!
中学部
中学部演技について 〜日本の文化、世界へはばたけ 2020東京五輪〜
日本全国に広まった日本舞踊を生徒一人一人が踊りました。空手、リボンのダンス、最後にソーラン節を全員で元気よく踊りました。
中学部競技について 〜八盲電車でGo!〜
「八盲電車でGO」と題して、車掌の帽子や手袋をバトン代わりにしました。おしりで風船を割るなどユニークな競技でした。本番前に生徒たちが主体的に作戦会議をし、練習した成果が実り、紅組が勝ちました。
高等部(普通科・理療科)
普通科演技 〜限界突破 - Push the Limit - 〜
「限界突破」をテーマに3つの演技構成に挑戦しました。集団行動では、行進、回れ右、駆け足など全員が大きな声で揃う演技を披露しました。マット運動、鉄棒の演技ではそれぞれ自分の限界の技に挑戦しました。最後は日本体育大学の「エッサッサー八盲バージョン」でみんなで大きな声でダンスをしました。
理療科競技 〜八盲カーリング2016〜
「八盲カーリング」では2人1組で
タイヤを転がして、円の中心にめがけて転がしました。円に止まっている相手のタイヤにぶつけるなど本物のカーリングのようなルールで会場が盛り上がりました。結果は2対0で紅組の勝利でした。
高等部競技 〜綱引き〜
高等部普通科と理療科を力を合わせて綱引きを行いました。力が拮抗して綱が30秒間ほぼ真ん中にあり白熱しました。本番では練習で1度も勝ったことがない白組が勝利しました。
全校種目
幼稚部から理療科まで全学部が参加する種目です。
50m走
ゴール方向からの音源を目指して走る音源走。音源走は音をたよりに走るため、声援はゴール後になります。
100m走
トラック2/3を二人で走るデュアルレース(二人が同時に並んで走る)で行いました。
音源玉入れ ポン!ポン!ポン!
音源に向かって玉を投げます。1回戦は幼稚部から中学部、2回戦は高等部が参加します。プールに入れば1点、たらいに入れば5点とし、紅白で得点を競います。八盲全員が一体となる運動会のメイン競技です。今年は、たらいに入った数の差が勝利の分かれ目となり、白組が勝利しました。
紅白リレー
小学部から高等部まで、それぞれの学部を代表するランナーたちが、紅白各組の意地と勝負をかけて最後の闘いを繰り広げました。リオオリンピックの日本代表に負けない迫力ある勝負でした。前半は紅組がリードし、後半で白組が逆転し最後まで逃げ切りました。
応援合戦(紅)
初音ミクの「千本桜」をベースに替え歌をしました。みんなで紅色のポンポンをもってダンスして一致団結しました。テーマのクールなかわいさが十分に発揮された応援でした。
応援合戦(白)
ミュージックステーションをテーマに3組のアーティストが出演して、応援を盛り上げました。タモリさんならぬヤモリさんと美人アナウンサーとで、会場を盛り上げました。みんなで元気よくメガホンを両手に息ぴったりの応援でした。
盲学校独自の競技種目としては、個人競技として50mの音源走などがありますが、その他は、集団競技も含め、通常の学校の運動会でも行う競技を、盲学校用にアレンジして行っているものがほとんどです。例えば、音源玉入れなどは、玉を入れる目標を、音を頼りに狙えるようにしたり、玉を入れる目標を、籠の代わりにビニールプールを使って、入れやすくしたりしています。二人一組で行う競技は、全盲生と弱視生を組み合わせて、互いに協力できるようにしています。リレーにおいては、全盲生が走る場合、教員が伴走紐を使って伴走することで、カーブのあるコースを全力で走ったりしています。
集団演技においては、声を掛けあいながら位置関係や方向確認をできるよう、繰り返し練習することで、しっかりそろった演技ができるようになります。また、幼稚部や普通科のように、一人一人の特性に合わせた演技内容を考えて演技構成をしている例もあります。
応援合戦は、聞いているだけでも楽しめるよう工夫された演技を、毎回、生徒自身が企画し、協力しながら本番に向けて練習を重ねています。普段は学部別に過ごすことが多い全校幼児・児童・生徒の絆が深まる貴重な機会ともなっています。
また、競技の様子が見て分からない幼児・児童・生徒に対し、分かりやすく様子を伝えるアナウンスの役割は重要です。近くにいる教員が口頭で説明をして、全体の実況アナウンスを補足するようにしたりもします。