令和6年度 中学部の教育

1.中学部の紹介

 今年度の中学部は新入生2名を迎え、2年生4名と3年生1名と合わせて総勢7名で新年度を迎えました。令和6年度は、重度・重複学級の設置はありません。各授業において点字や拡大文字・視覚補助具等を活用し、個別の力や目的に応じて教科学習を行っています。実技教科も専門的な指導により、積極的に楽しく取り組めるよう工夫されています。また、生徒会活動を中心にした様々な活動が生徒の自主性を育んでいます。校内弁論大会などの行事や進路指導では高等部普通科とも連携し、総合校の良さが活かされた教育が実施されています。

2.教育目標

(1) 普通学級

  • ア 積極的に学習に取り組み、基礎的・基本的な学力を身に付ける。
  • イ 自分について理解しようとするとともに、他の人々に対し感謝と思いやりの心を
    もつ。
  • ウ 心身の健康を心掛ける態度を育てる。
  • エ 地域や社会に関わろうとする態度を育てる。

(2) 重度・重複学級

  • ア 意思を豊かに表現し、主体的に活動できる力を育てる。
  • イ 豊かな人間関係を育てる。
  • ウ 基本的な生活習慣を身に付け、健康なからだ作りをすすめる。
  • エ 地域や社会に関心をもつ。

3.教育目標を達成するための基本方針

(1) 普通学級

  • ア 生徒の実態を的確に把握し、学校生活支援シート(個別の教育支援計画)及び個別指導計画の作成・実施・評価を通して個に応じた指導の充実を図る。
  • イ 一人一人に応じた指導内容・方法・体制を考慮するとともに、教材教具の研究を深め、活用を図る。
  • ウ 保護者や本人の希望を踏まえ、副籍制度の実施を通して生徒の地域指定校との交流を推進する。
  • エ 体験的な学習を重視し、生徒の主体的な取組を通して、思考力・創造力・行動力を高めるように努める。
  • オ 生徒同士が協力して活動したり課題解決に向けて対話をしたりする場面を適切に設定し、他者を思いやり進んで協力し合える力を育てる。
  • カ 自己の障害を理解し、自立するために必要な生活能力を養う。
  • キ 視覚障害教育の総合校として、小学部、高等部との連携を大切にし、長期な展望に立った教育活動を行う。

(2) 重度・重複学級

  • ア 生徒の実態を的確に把握し、学校生活支援シート(個別の教育支援計画)及び個別指導計画の作成・実施・評価を通して個に応じた指導の充実を図る。
  • イ 一人一人に応じた指導内容・方法・体制を考慮するとともに、教材教具の研究を深め、活用を図る。
  • ウ 保護者や本人の希望を踏まえ、副籍制度の実施を通して生徒の地域指定校との交流を推進する。
  • エ 意欲や自主的な行動を導き出すような指導内容・方法の工夫と改善に努める。
  • オ 体験的な活動を重視するとともに、教材教具を工夫し、その活用に務める。
  • カ 実態に応じて繰り返しの指導を行い、知識や技術の定着を図り、学習への意欲を高める。

4.生徒数

  1年 2年 3年 合計
 女
人数

 5.カリキュラム

(1) 教育課程

準ずる教育課程
(普通学級)
知的障害を併せ有する
生徒の教育課程
(重度・重複学級)
教科等 1 2 3 2 3
国語 4 4 3 3 3 3
社会 3 3 4  -
数学 4 3 4 3 3 3
理科 3 4 4  -
音楽 1 1 1 2 2 2
美術 1 1 1 2 2 2
保健体育 3 3 3 3 3 3
技術・家庭 2 2 1  - -  
英語 4 4 4 1 1 1
道徳 1 1 1 -
特別活動 1 1 1 1 1 1
自立活動 1 1 1 3.5 3.5 3.5
日常生活の指導  - 2.5 2.5 2.5
生活単元学習  - 2 2 2
作業学習  - 1 1 1
職業・家庭  - 4 4 4
総合的な学習の時間 1 1 1 1 1 1
合    計 29 29 29 29 29 29

(2) 普通学級時間割(例)

 
理科 英語 英語 国語 国語
英語 国語 社会 数学 英語
技術・家庭 理科 数学 音楽 自立活動
技術・家庭 社会 国語 保健体育 数学
社会 理科 美術 理科 総合的な
学習の時間
保健体育 保健体育 道徳 特別活動

(3) 重度・重複学級時間割(例)

 
日常生活 日常生活 日常生活 日常生活 日常生活
自立活動 自立活動 自立活動 自立活動 自立活動
数学 保健体育 保健体育(リトミック) 職業(技術) 保健体育(リトミック)
生活単元学習 家庭 美術 音楽 国語
生活単元学習 家庭 美術 数学 数学
自立活動 職業(技術) 英語 国語 総合的な
学習の時間
国語 音楽 作業学習 特別活動

6.主な行事

★1学期
入学式[全校行事]
新入生歓迎会(新年度交流会)
授業参観[全校行事]
校内弁論大会[中・高]
移動教室(1年生・2年生)
点字・漢字コンテスト
八王子市立館小中学校との交流会
六光祭[全校行事]

★2学期
非常災害時下校訓練[全校行事]
宿泊防災訓練(1年生)
授業参観[全校行事]
修学旅行(3年生)
八王子市立館小中学校との交流会
総合防災訓練[全校行事]
点字・漢字コンテスト
セーフティー教室
学校公開[全校行事]
職場体験

★3学期
授業参観[全校行事]
校外学習
3年生を送る会
卒業式[小・中]

※ 詳しくは行事予定表を御参照ください。

7.指導における配慮事項

 中学部では一人一人の生徒のニーズに応じた、きめ細やかで専門的な視覚障害教育を行っています。

(1)教科学習を中心に行っている普通学級と、生活課題の学習も併せて行う重度・重複学級があります。(令和6年度は重度・重複学級の設置はありません。)

(2)教科書には、点字教科書、拡大教科書、通常の教科書があります。また、タブレット端末に取り入れたデジタル教科書や自作教材なども使用しています。

(3)授業の形態は、学習進度に合わせた少人数編成のグループ、または個別指導の授業を行っています。保健体育、総合的な学習の時間など中学部の生徒全員で行う授業もあります。

(4)地域の中学校と同じように、教科書を使っての教科学習のほかに、盲学校独特の学習内容である「自立活動」の授業があります。視覚に障害があっても、自立して生きる力を身に付けることを目指し、主に歩行や点字、弱視レンズや拡大読書器の使用、パソコンの利用など、生徒一人一人をサポートする学習内容を行っています。

(5)定期的に保護者との個別面談を実施し、御家庭と共通理解のもとでの指導にあたっています。

ページの先頭へ戻る